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元葬儀社スタッフが語る!リアルな現場事情~葬儀と季節編~

はじめまして!
某大手葬儀会社のスタッフとして10年ほど勤務経験のある鈴木と申します。
ここでは葬儀社スタッフから見た実際の現場の様子や印象的だった体験談をご紹介していきます。

これから葬儀社を利用する方や葬儀業界に興味が少しでもある方などの参考にしていただけたら幸いです。

葬儀社の繁忙期と閑散期

いきなりですが、葬儀が多い時期とはいつだと思いますか?
一般的に葬儀は一年中いたるところで、施行が執り行われています。
しかし、そんな葬儀業界にも少なからずとも繁忙期と閑散期というものが存在します。

季節と葬儀は切っても切り離せない?!

季節の変わり目というものは、環境や温度の変化によって免疫力が下がり風邪を引きやすくなると言われています。

いわば体調を崩しやすく、場合によっては重症化しやすい時期とも言えます。

このことは一般的に当然のごとく浸透している知識ですが、葬儀業界には施行に繋がる可能性が高いため重要視しなければいけない時期でもあります。

12月~2月ぐらいの寒い冬場や猛暑日が続いている8月の夏場は特に多く葬儀が発生する傾向があり、葬儀業界では繁忙期となるためスタッフたちは忙しい日々を送ります。

逆に、3月~7月ぐらいまでの暖かい時期は比較的葬儀が少ないとされている時期のため閑散期といえます。

しかしながら、近年はコロナ禍ということもありこの結果は一概ではなくイレギュラーな繁忙期も多いのが現実です。

閑散期も慌ただしい

主に葬儀を担当するスタッフは葬儀社によって人数は様々になりますが、私の勤めていた会社では各会場に常時3~5名ほどが待機していました。

繁忙期は全員が一日2~4件ほど担当して寝る間も惜しんで業務に勤しんでいる姿が印象的でした。

逆に閑散期はというと、葬儀以外にも仕事はたくさんです。

法要や新盆、アフターフォローなど施主宅との繋がりは多くあります。

事務もそれに付随して、請求書や領収書の発行から案内など仕事が発生します。

正直、葬儀会社へ就職したばかりの頃は、こんなにも常にバタバタと忙しい業界だとは思いませんでした…!

季節と葬儀の関係

仕事の過程上、目にすることが多い死亡診断書。
それは故人の最後を記した大切な書類となり、役所関係の申請や生命保険申請の手続きなどにも必要な重要書類です。
病名や死因の表記は私には難しいものも多く把握しきれるものではないのですが、季節によって偏りがあることを知りました。

ここではそんな季節と死因の関係を実際の葬儀内容と共にご紹介します。

孤独死と年配者

年配者の孤独死は、年間6万人以上とも言われているそうで葬儀の現場でも多く目にします。

その中でも冬場は特に多く、お風呂場でのヒートショックや明け方に容体が突然変わって亡くなられているケースを多く目にします。

また、夏場も暑さを感じにくい年配の方が熱中症になって部屋の中でそのまま亡くなられているということも。

いずれの場合も発見後は、死亡が確認されると犯罪性の有無のため警察署へ司法解剖となります。

その後は、葬儀社スタッフが警察署までお迎えにいき各葬儀会場の安置室に移動することが多い傾向にあります。

孤独死の場合、亡くなられてから発見されるまでが長ければ長いほどご遺体の損傷が激しくなるため即火葬場というケースも珍しくありません。

ご家族の意向を聞いた上で判断するのですが、そうでない場合もあります。

それが、身寄りのない故人様の場合。

親族や知人などその方の葬儀を執り行う方がいない場合は、役所等が後見人として喪主の代理を務めます。

葬儀社では「火葬式(直葬)」という形を取らせていただき簡易的な葬儀という形で施行します。

近頃はこのようなケースが葬儀業界全体的にも年々増えてきているようで、どこか寂しく感じてしまうものです。

秋と自殺者

一年のうちで最も自殺者が多くなる季節が「秋」。

これは実際に様々な葬儀を見てきた中で、私が体験した統計結果です。

年間を通して自殺が原因の葬儀は数件取り扱いますが、その中でも秋はダントツに多い印象があります。

「季節性うつ病」という病気もあるように、秋から冬場にかけて日照時間が減ることも関係しているそうです。

近頃は美白ブームなどもあり日光を避けがちになる傾向にありますが、朝日を浴びたり外出することも大切なことなのだと気付かされます。

また、秋以外にも年度の変わり目の3月や雨が続く6月なども何件か取り扱っていたような気がします。

故人がどのような気持ちでその選択をしたのかは、私たち葬儀スタッフには到底想像もつかないことですが、その現実を目の当たりにする度に胸がざわざわとしてしまいます。

そして残された家族が何度も故人の棺に向かって泣いて、叫んで、後悔した姿を見てきました。

天寿を全うした故人の葬儀とは違い、特に若い方のこのような葬儀は場数を踏んでいるスタッフでさえ「何度経験しても苦しくてつらい」と言っていました。

自殺者の多くなる季節はとくに、周囲の人に積極的に声をかけたり気を配って未然に防げるようになれば良いですね。

季節ごとの葬儀形態

季節によって温度や湿度などが違ってくるため、葬儀形態も季節に合わせた方法で執り行われます。
それは亡くなった人の体は無防備な状態になり腐敗が進んでいくため、季節によっては火葬までの日が短くても状態が悪くなることがあるからです。
では季節ごとに特徴的な部分をピックアップしてご紹介していきましょう。

春の葬儀

桜とともに送る葬儀

春は桜が咲き誇る季節であり、桜の花びらが舞う中での葬儀は特別な雰囲気を醸し出します。
多くの方が、故人を桜の花とともに見送りたいと希望され、葬儀場の装飾にも桜が取り入れられることが多いです。

新たな門出と共に

春は新たな門出の季節でもあります。
この時期に亡くなられた方は、新しい生活を始める家族や親族にとっても特別な意味を持つことが多いです。
「春に亡くなられた故人を送り出す際、家族全員が集まり、改めて絆を確かめ合う機会となった」との声がありました。

夏の葬儀

暑さ対策の重要性

夏は暑さが厳しく、葬儀においても参列者の体調管理が重要です。
「真夏に出棺スペースに安置された際、エアコンが効いていないため、非常に暑くて大変だった」との声がありました。
冷房設備の整備や、冷たい飲み物の提供が欠かせません。

夏の葬儀は、ご遺体も基本的に暑さとの戦いになります。
高温はご遺体の悪化を進めてしまうため、防腐のために(※)エンバーミングなどの処置が推進されるケースが多いでしょう。
また、葬儀前に火葬を済ませてしまうことも少なくありません。
夏の急激な温度変化が意外なところにも影響しているのですね。

(※エンバーミング)

  1. 消毒・殺菌
    感染症の原因となる病原菌・ウイルスの有無にかかわらず、危険な感染を防ぐために、ご遺体の消毒・殺菌を行います。
  2. 腐敗の防止
    ご遺体は、死後すぐに体内から腐敗が進むので、できるだけ早く薬剤で腐敗防止を行わなければなりません。処置を施すことにより、臭いもほとんど感じられなくなります。
  3. 修復・化粧
    処置を施すことにより、生前の安らかなお顔を取り戻し、故人に対してご遺族の心にいい思い出を残せるようになります。
  4. 心ゆくまでのお別れ
    衛生的に安全となったご遺体と心ゆくまでゆっくりとお別れできます。10日から2週間程度は安全に保たれます。

お盆と葬儀

夏はお盆の時期とも重なり、故人を供養するために多くの家族が集まります。
この時期は、通常の葬儀に加えて、お盆の供養や法要が行われることが多く、葬儀社も非常に忙しい時期となります。
家族が集まりやすいこの時期に、故人を偲ぶ大切な時間を持つことが多いです。

秋の葬儀

紅葉の季節

秋は紅葉が美しい季節であり、自然の中での葬儀は非常に風情があります。
紅葉の時期に故人を送ることは、参列者にとっても特別な思い出となります。

落ち着いた気候

秋は気候が穏やかで、葬儀の件数も安定しています。
葬儀場の装飾にも紅葉や季節の花が使われ、故人を偲ぶ時間がより一層深いものとなります。
また、収穫の季節でもあり、地元の農作物を使った装飾や供物がよく見られます。

冬の葬儀

寒さとの戦い

冬の葬儀は、寒さが厳しい中で行われるため、特に注意が必要です。
暖房の効いた室内でも、参列者が外から来る際には十分な防寒対策が求められます。
「寒さが厳しい時期に葬儀を行う際、温かい飲み物を提供するなど、参列者への配慮が重要」との意見がありました。

冬の葬儀は気温が低いためご遺体の状態悪化もゆるやかになり、故人をゆっくり見送りやすい季節です。
10℃以下の日などは火葬まで3日~5日空いても特に問題はないとされています。

しかし、冬の葬儀の盲点になるのが火葬場の寒さ。
葬儀会場などは冷暖房がしっかりと完備されているため気付きにくいのですが、火葬場は底冷えがある場所が多いので冷え性の方は注意しましょう。
女性などはスカートの喪服が多いので、黒ストッキングも暖かいものを選ぶなどの寒さ対策は充分にして参列しましょう。

交通と天候の影響

冬は雪や凍結による交通の問題が発生しやすい時期でもあります。
特に大雪の日には、参列者の移動が困難になるため、葬儀の時間を調整することもあります。
また、インフルエンザなどの感染症が流行する時期でもあるため、感染症対策としてマスクの着用や手指の消毒、換気などを徹底しています。

年末年始の葬儀

葬儀を執り行う中で、注意が必要な時期は年末年始です。

年末年始は火葬場が休みになるため、葬儀日程が先送りされることがあります。
一般的に年内であればギリギリまで火葬場が動いている可能性が高いため、先に火葬のみしてしまうことも。
年始の火葬場スタートがおよそ1月4日前後からとなっているので、年始は葬儀場が込み合うことを覚えておきましょう。

ちなみに六曜の友引の日は基本的に告別式を行うことが少ないため、火葬場が休みになることが多いのでこちらも併せてチェックしておきたいポイントです。
ただし、葬儀の依頼や連絡は365日24時間対応している葬儀場が多いので日取りなどで困った時は相談してみると良いでしょう。

具体的なエピソード

以下に、実際にみんログ葬儀社に寄せられたエピソードをいくつか紹介します。

春の葬儀に関するエピソード

クチコミ: 「父が亡くなった時、桜が満開の季節でした。桜の花びらが舞う中での葬儀は、父の人生の最後を美しく飾ってくれたように感じました。」

アドバイス: 「春の葬儀は桜の時期と重なることが多いので、予約が取りにくい場合があります。早めの準備が必要です。」

夏の葬儀に関するエピソード

クチコミ: 「夏の暑い時期に葬儀を行いましたが、会場の冷房が効いておらず、大変でした。」

アドバイス: 「夏場の葬儀は冷房設備がしっかりしている会場を選ぶことをおすすめします。」

秋の葬儀に関するエピソード

クチコミ: 「秋の涼しい時期に祖母の葬儀を行いました。感謝の気持ちでいっぱいです。」

アドバイス: 「交通の便も考慮して会場を選ぶと良いでしょう。」

冬の葬儀に関するエピソード

クチコミ:「冬の寒い時期に雪の中での葬儀は大変でしたが、葬儀社のサポートで無事に終えることができました。」

アドバイス: 「冬場の葬儀は雪や寒さに対応できる葬儀社を選ぶことが重要です。」

さいごに

ここまで、葬儀と季節について自身の経験を基にご紹介してきました。
年間を通して葬儀はいつもどこかで発生しています。
しかし、季節と葬儀は密接な関係があり切っても切り離せません。
これは体調を壊しやすい時期にもなっているので、自分はもちろんのこと家族や友人などにも目を向けてみましょう。
元葬儀社に働く身としてはあまり大きな声ではいえませんが、葬儀にならないように未然に防ぐことが大切なのです。

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