川内ベルベ玉鳳院で実際に行われた家族葬について、遺族の体験をもとに、斎場の設備、サービス内容、当日の流れ、スタッフの対応などを詳しく紹介します。これから家族葬を検討している方にとって、具体的な雰囲気や注意点を知る参考になれば幸いです。
体験談
私の祖父の葬儀に、こちらの川内ベルベさんを利用しました。
祖父は普段は認知症の祖母と二人暮らしなのですが、偶然にも私、夫、娘、母が帰省したタイミングで亡くなったため、そのまま私と母が中心となって葬儀の段取りを行いました。
こちらの斎場を選んだ理由は、生前に祖父がこちらで積立を行っていたからです。祖父は急逝したので、積立があるということは知りませんでしたが、祖父の妹が「兄なら何かしら積立をしていると思う。徳島で葬儀の積立といえばここだから、念のため確認しておいた方がいい。」というので電話をしたところ、祖父の名前で確認が取れました。ですので、徳島で葬儀をあげられる方は斎場を決める前に1度こちらに問い合わせをしてるといいかもしれません。積立は満額には達していませんでしたが、それでもかなり貯まっており割引もしていただけるということと、積立をしていた生前の祖父の意志を尊重する意味でも、今回は迷うことなくこちら一択でした。
実際に利用して見た感想としては、当日のホスピタリティやサービス、設備にはとても満足している一方、打ち合わせの段階でスタッフによって言うことが統一されておらずまちまちな点が気になりました。
まず、特に注意が必要なのは日取りについてです。最初に日程を案内されたとしても、火葬場の営業時間外の場合は日程が確定するのは翌日8時半以降になります。
祖父は深夜、日をまたぐ直前に亡くなりました。亡くなってすぐ、電話で問い合せた際にはお日柄的にも翌日にお通夜、翌々日に葬儀と案内されたにも関わらず、その後実際にスタッフさんと対面での打ち合わせの段階になってから、翌日の火葬場に空きがあるか分からないから日程はまだ未確定で、火葬場の営業が始まってから確認してみないとなんとも言えないと言われてしまいました。
今回は結果としては火葬場に空きがあり、最初に言われた通りの日程で決まったので事なきを得ましたが、日程がまだ確定ではないと知った時点では既に各所に連絡してしまった後で、遠方からの飛行機やホテルを予約してしまっていた親戚もいたのでかなり焦りました。
ですので、これから葬儀をあげられる方は日程の確認はしっかりしてから各所に連絡されることをおすすめします。
また、火葬の時に棺に入れられるものについてもスタッフによって案内が違いました。
最初の打ち合わせでは、わざわざ「天国で不自由があるといけないのでメガネや、補聴器などを入れてあげてください。」と案内されたので、急いで家を探してこれらを見つけておいたのですが、次に交代したスタッフの方からはメガネも補聴器も金属などが燃え残る可能性があるため棺には入れられないと言われてしまいました。また、こちらからは祖父の愛用の帽子、スリッパ、御朱印帳を入れたいとリクエストしていたのですが、これらも最初のスタッフさんにはOKと言われていたものの次のスタッフさんからは同じく燃え残りの可能性があるため帽子以外はNGと言われました。さらに、葬儀の直前になって、生前の祖父がこれだけは一緒に火葬して欲しいと強く希望していた御朱印をなんとか一緒に入れられないかと母が改めて交渉したところ、なぜかあっさりOKがでました。
結局、何が入れられて何がダメなのかハッキリした基準は分からずじまいでしたが、正直なところその時のスタッフさんによってかなり線引きが変わってくるのではと感じました。ですので、どうも入れたいものがある方は人を変えて何度か交渉すればOKが出るかもしれません。
事前打ち合わせは、祖父が急逝だったことで心の準備ができておらずかなり動揺している中で、次から次へと決めることがあり、あちこちに連絡を取らなければならなかったのでてんてこ舞いでした。深夜だったため寝ていてすぐには連絡がつかない親族も多く、私も母も葬儀の手配などが初めてで勧められるままに翌日をお通夜にしてしまいましたが、可能なのであればもう少し余裕を持たせたスケジュールにしても良かったかもと思いました。
また、今回祖父は自宅で心肺停止になり、病院に救急搬送されて死亡が確認され、そのまま斎場に連絡して打ち合わせ開始となったので、認知症の祖母も流れで一緒にいたのですが、3分に一度は祖父が亡くなったこと、なぜ自分はここに居るのかを忘れてパニックを起こしたりあれこれ質問をしてくるので大変でした。祖母のことなどはだれもわざわざ案内してくれないので家に返すタイミングを逃してしまいましたが、打ち合わせの戦力にならない人はどこかのタイミングで帰っておいてもらったほうが良かったと思います。
このように終始バタバタだってので打ち合わせは正直なところあまり記憶に残っておらず、よく分からないままにハイと返事をしてしまったところもあったのですが、何かと物騒な世の中なので個人的には新聞にお悔やみ文を出すのだけはお断りしておいて良かったと思っています。
また、今回は香典は辞退の方向で考えていたのですが、どうしてもという親戚が多く押し問答になってしまい、ここでもかなり時間がとられてしまいました。結局、スタッフの方に「代わりに会場のお花を贈って貰うという方法がある」と勧めていただいたのでそのようにしたのですが、会場も華やかになり、お見送りの時に棺にもたくさんのお花を入れてあげることができるのでおすすめです。一番高級なお花は3万円のものですが、2万円のお花でも十分豪華だったので、今回は親戚には「いちばん高いのは2万円」と伝えて2万円のものを贈っていただきました。打ち合わせはかなり時間がかかってしまい、深夜に始まり気づけば朝の4時半になっていました。
事前の打ち合わせはかなりバタバタとしましたが、設備と当日のサービスにはとても満足しています。特に、親族や参列者が多い葬儀には良いと思います。
提携の火葬場も含めて、故人と親しい人と一緒に最後の時間をゆっくり共有できる、温かみのある斎場だと思いました。
まず設備についてですが、会場が広いです。廊下やエレベーターも広いので人が沢山来たり、小さな子供や車椅子の親族などが来てもゆったり対応できます。
また、葬儀のスペースもかなり余裕があるので、今回は親族のみの参列の予定で20人弱と伝えていましたが、念のためと家族以外が来た場合の席も用意していただいていました。蓋を開けてみるとお通夜には母の友人が、葬儀には近所の人が急遽駆けつけてくれたのですが、おかげで余裕を持って対応できました。途中参加などもできるので、故人と縁のある人が入れ代わり立ち代わり来て下さり、祖父も喜んだことかと思います。
反面、最大で三組の葬儀か同時に行える(個室にはなっていません)つくりになっているのでプライバシーを気にする方は少し気になってしまうかもしれません。私たちの時は、隣のブースは閉鎖されてましたがそのさらに隣は別の方の葬儀の準備がされていて、遺影も飾られていました。実際には3組同時に入れることは無いのかもしれませんが……。
親族控え室も20人は余裕で入れ、長机や座椅子などが用意されているので、親族ともゆっくり過ごすことができます。その控え室がそのままお通夜の日に泊まる部屋にもなるのですが、初めは母のみ泊まる予定にしていましたが、部屋が広かったので私と2歳の娘も急遽一緒に泊めていただきました。当日は布団は3組のみ用意されていましたが、頑張れば5-6人は泊まれそうな広さでした。故人との最後の時間をゆっくり過ごすことができ、とても感謝しています。
私が個人的に特に良いと思った点は、お通夜や葬儀の後の親族の食事も移動せずこちらの斎場内でできる点です。
偶然ですが、少し前に別の親族も亡くなり葬儀に参加したのですが、そちらはお通夜後の食事会はなく、葬儀後の食事もお弁当が配られるのみで、各々自宅やホテルに持ち帰って食べるスタイルだったため、せっかく久しぶりに集まった親族と故人についての話が出来る場がなく少し寂しく思っていました。
その点、川内ベルベさんでは会場内で食事までできることは大変嬉しく思いました。祖父自身も親族で集まったり食事をしたりする賑やかな場がとても好きな人だったので、葬儀では祖父の事を思い出しながら親族みんなで思い出話に花を咲かせました。葬儀はどうしても気持ちが暗く、悲しくなってしまうので、せめてこのような温かい場を設けることが出来て良かったと思っています。食事もとても美味しいです。子供用の料理も用意がありますが、とにかく量が多いので小学校低学年くらいまでの子供であれば親の分を取り分けるので十分かと思います。
ホスピタリティも良かったです。当日はお寺さんや斎場との打ち合わせなどは母、参列した親族の対応は私が主に対応していたのですが、祖父を失った傷もまだ癒えない中で不慣れな点も多く、記帳や席次についてなど全く分かっていない状況だったのでもっぱらスタッフの方が先導してくださりとても助かりました。
お通夜・葬儀の当日の流れですが、まずお通夜は午後7時から行いました。直前に急遽来られることになった人、間に合わない人などの連絡があちこちから来て、席次のことなどでまたバタバタしてしまいましたが、時間厳守な感じではなく融通を効かせてくれたので助かりました。お通夜の後は親族のみ1階に移動して食事会を行い、その後は流れ解散でした。ここまででだいたい2時間ほどだったかと思います。
今回、遠方でお通夜の時間に間に合わなかった親族が遅れて午後10時頃に来たのですが、時間外にも関わらず対応して下さったため最後の別れの挨拶をしていただくことができました。その後、10時半頃には会場に泊まる母と私、娘以外は帰り、宿泊設備の説明がありました。お風呂は広い湯船もあり快適ですが、トイレは共用部にしかないこととオムツ替え用のベビーシートがないことは少し不便です。子供と泊まる方はこの辺りは注意が必要です。オムツの時期の子供の場合はオムツかえシートと、オムツ用のゴミ袋を用意しておくといいと思います。宿泊部屋の外は夜通し明るかったので、一晩中だれかは待機しているようでした。
翌日の葬儀は朝8時半から行われました。関係各所には家族葬でと伝えてはありましたが、近所の方たちが駆けつけてきてくださりました。読経や焼香などひととおり葬儀が終わったあと、会場の装花や遺品を親族みんなで棺に入れ、霊柩車とマイクロバスに別れて火葬場に向かいました。火葬場までは30分程と少し時間がかかるので、先に御手洗など済ませておくと良いです。特にスタッフからの案内などはなく、ぼんやりしているとトイレのタイミングを逃してしまうので喪主などから案内してあげると良いと思います。
また、提携の火葬場は簡易的なつくりで、あまりしっかりした建物ではないので寒い時期の葬儀ではコートなどを持っていった方がいいかもしれません。待合室も少し狭めで、トイレも多目的トイレ以外は和式便座の簡易的なものです。こちらももちろんオムツ替えベッドなどは無いので、オムツの子供がいる場合は使い捨てのシートやゴミ袋必須です。
ですが、古めの火葬場のため、火葬時の煙が煙突から空に昇っていく様子を見ることができます。最新の設備だと煙は処理されて出ないようになっているそうなので、古い設備ならではの良さだと思います。利用される方はぜひお見送りされることをおすすめします。
お骨を拾うとき、歯が残っていれば希望すれば骨壷とは別で持ち帰らせてもらえます。焼かれた歯はかなりもろくなっているので持ち帰りたい場合は可能であれば小さいタッパーなど簡単な入れ物を持っていくといいと思います。
全体的に、設備は綺麗では無いものの流れ作業という感じではなく人の温もりのある雰囲気の火葬場で、個人的にはとても良いと感じました。
そのあとは再び斎場に戻り、そのまま初七日の法要までを済ませて、午後二時頃に食事会を行い、3時半頃に流れ解散となりました。
最後に斎場の方にご挨拶をしましたが、お忙しい中丁寧に対応してくださってありがたかったです。
総合して、たくさんの人に愛されていた祖父に相応しい温かいお葬式ができたのではと思います。これから葬儀をあげる方で、故人の思い出をみんなで共有する葬儀にしたいという方にはとてもおすすめできます。
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